29年・230万人の足、5月22日が分岐点 — サンクスネイチャーバスCF残り16日
1997年から29年、230万人を乗せてきた自由が丘のコミュニティバス「サンクスネイチャーバス」が、いま岐路に立っている。クラウドファンディングは5月22日に終了。残り16日だ。
駅正面口を出てすぐ、そのバスがいる
自由が丘駅の正面口を出ると、緑が丘・八雲方向へと向かう小さなバスが走っている。運賃は無料。コンセプトは「自然さん、ありがとう」。NPO法人が運営する、このエリア独自のコミュニティバスだ。
1997年に運行を始めて、2026年4月で29年目に入った。その間に運んだ人数は、累計230万人。自由が丘と、すぐ隣の緑が丘・八雲・駒沢公園エリアに暮らす人びとの足として、ずっとそこにあった。
走り続けてきた理由と、今の苦しさ
八雲ルートは自由が丘駅正面口を起点に緑が丘・八雲を周回する。駒沢公園ルートは駅南口から出て、深沢ハウス・自由が丘クリニック・モンサンクレール・ラ・ヴィータを経由して戻ってくる。産業能率大学の送迎を含め、3ルートで動いている。
もともとこのバスには、もう一つの顔があった。VDF、食廃油由来の燃料で走るバスだった。「自然さん、ありがとう」というコンセプトは、使い終わった油を燃料に転換するという思想から来ている。ところが法規制の変更により、VDF燃料の使用が認められなくなった。今は軽油で走っている。
物価高騰が長引く中で、運営は苦境に陥った。
58%、残り16日
4月8日から、CAMPFIRE for Social Goodでのクラウドファンディングが動いている。目標額は300万円。2026年5月6日09:00時点で、集まった支援は174万6,000円、達成率は58%、支援者は121人。終了は5月22日、残り16日だ。
All-in方式を採用しているため、目標に届かなくてもプロジェクトは続く。集まった支援は確実に活用される。
理事の斉藤光彦さんはこう話している。「一番の課題である財政基盤を支援金で整えたい。安定した運営が実現した際には、運行開始当時の思いであるVDF燃料で再びバスを走らせたい」。
29年前の思想を、もう一度。
駅から少し先、ということ
駅南口から八雲・深沢を巡るルートを乗り継ぎで使ってきた人にとって、このバスは単なる移動手段ではない。無料で、決まったルートを、毎日走っている。その積み重ねが、230万人という数字になった。
5月3日の最新更新には「挑戦から25日目、変わらず安全第一で運行中」とある。今日も走っている。
リターンは1,000円のお礼メールから始まり、1万円のバス車内・HP掲載または自由が丘商店街26店舗から選んだ6店舗利用パスポート、企業向けバス広告スポンサー枠 (5万円〜10万円) まで段階が設けられている。
5月22日まで、残り16日。次に駅正面口を歩く時、あのバスはまだ走っている。同じ景色のなかに、29年と230万人と16日が同居している。