大井町線の踏切音が遠ざかる路地に、3年目のガレットが焼かれている — cafe enn
自由が丘駅南口から等々力通りを南下、女神通りを抜けて熊野神社の先。大井町線の踏切音が遠ざかる路地の一画に、cafe enn がある。ガラス戸のステンドグラスを開けると、テーブルクロスとアンティーク家具の20席。3年目の朝。
等々力通りの縁、踏切の音が遠ざかる
自由が丘駅の南口を出て、女神通りを歩き、熊野神社の脇を抜けて、等々力通りに入る。街の中心の賑わいが、一区画ごとに薄まっていく。
奥沢6丁目、FKハウスの1階。ガラス戸に嵌め込まれたステンドグラスが、通りから見える。cafe enn、と控えめな文字。大井町線の踏切音が、時折、路地の向こうで鳴っている。
戸を引くと、テーブルクロスの掛かった席が並んでいた。
20席、アンティークの家具、朝の光
店内は20席。
テーブルクロス、アンティークな食器とカトラリー、木の家具。自由が丘.net が New Open として紹介した記事には「洋食店やプチレストランのような温もりのある空間」とあり、note のライターは「純喫茶のような温もり・懐かしさ」と書いている。断定は控える。両方の形容が同時に浮かぶような、そういう店内である。
note のライターは「コンパクトな外観に反して、奥行きのある広々とした設計で、ソファ席も配置されている」と書いていた。
3年目の6月、跡地に開いた扉
cafe enn がここに扉を開けたのは、2023年6月1日。
自由が丘.net の New Open 記事によれば、同じ場所は、2023年4月に閉じた「cucina HIDA Santa Marta」の跡地だった。閉店から約2ヶ月後、空いた壁と床に、新しい店主の手が入って、今の内装になった。
店主は元パティシエ、と自由が丘.net の記事にある。修行先も、経歴の詳細も、公式発信の範囲では明らかにされていない。ただ、手作りのスイーツにこだわりがある、と紹介されている。
自由が丘.net の記事にはパンナコッタ、ティラミス、ボストンクリームパイという名前が挙がっていた。ケースに、その手の跡が並んでいる。
そば粉のガレット、モーニングは9時から
主役は、ガレット。
食べログの店舗ページには「蕎麦粉100%のガレット」と、note の紹介記事には「純国産そば粉100%」と紹介されている。産地の詳細まで公式発信で確認できたわけではないから、その形容は紹介記事のまま受け取っておく。それでも、蕎麦粉の香ばしさを主軸にした一皿であることは、両方の記述が揃って伝えている。
価格帯は、ガレットが1,100-1,320円、クレープが770-880円 (note 記事より、2025年頃の価格)。ガレット + クレープ + ドリンクの「enn set」で220円割引になる、と note ライターが書き留めていた。
モーニングは9時から11時まで。土日祝は9時、平日は9時半に開く。ランチは11時半から14時。
街の中心から、少しずれた縁で
九品仏駅から徒歩3分。自由が丘駅南口から徒歩7-8分。等々力通り沿い、というのが、位置の一番短い言い方になる。
自由が丘スタイルの note には「自由が丘の喧騒を離れたエリア」という表現があった。駅ロータリーの人波から、女神通りと熊野神社を挟んで、一枚めくれた場所。街の中心ではなく、住宅街と商店街の境目の一画。3年目の朝が、ここで始まっている。
公式 Instagram (@cafe_enn) は継続して運営されていて、モーニングやランチの日々が、静かに発信されている。
教えたい、けど、静かに
奥沢の路地の一枚めくれた場所に、3年目のガレットが焼かれている。焼く手は、以前パティシエだった人の手。焼かれているのは、蕎麦粉の生地。
教えたい気持ちと、教えたくない気持ちが、半分ずつ。
また、モーニングの光が長く伸びる日に、等々力通りを歩こうと思う。