亀屋万年堂の向かい、うつわが暮らしに寄り添う店 — 生活民芸 なかむた
画像はイメージです。 Photo: Unsplash contributor / Lorem Picsum (Unsplash License)
街並み 読 2分

亀屋万年堂の向かい、うつわが暮らしに寄り添う店 — 生活民芸 なかむた

自由通り沿い、熊野神社の裏、亀屋万年堂 総本店の向かい。ナボナを買った帰りに、道の反対側に眼をやると、波佐見や小鹿田、やちむんの器が並んでいる。日々の食卓に降りていく類いの器だ。

#hidden-gem#culture#pottery#mingei#jiyugaoka#nakamuta#ceramics

ナボナを買った、道の反対側で

亀屋万年堂 総本店の前で、袋を受け取って、道の反対側にふと眼をやる。自由通りの反対側、熊野神社の裏手にあたる位置に、器の並ぶ窓がある。

木の棚に、白と藍と土の色が並んでいる。

生活民芸 なかむた、と看板に書いてある。駅からは徒歩約 3 分。ずっとナボナのほうを見て歩いていたから、道の反対側に器の店があることに、私はしばらく気づかなかった。

波佐見、小鹿田、やちむん

店に入ると、棚に並ぶ器が一つずつ違う顔をしている。

公式サイトには「ひとつひとつ表情の異なる陶器たち。直接見て、触れて、お気に入りを探してください」とある。派手な陳列ではなく、日々の食卓に降りていく類いの器が、静かに並べてある。

扱いは、長崎・波佐見焼 (natural69、藍染窯ほか)、有田焼と伊万里焼、小鹿田焼、沖縄のやちむんと壺屋焼、そして琉球ガラス。号外NET が 2021 年 5 月に紹介した時点でも、この構成はほとんど同じだった。

店員に聞かないと窯元の名前まではわからない、けれど手に持てば重さと肌合いがある。ひとつずつ拾い上げていく時間が、この店では許されている。

練馬から派生した、姉妹の系譜

もう一つ、この店には脈がある。

練馬に「貴陶」という陶器店があって、そこから派生した姉妹店が「生活民芸 なかむた」。公式サイトにも、貴陶側の公式サイトにも、そう記されている。貴陶が有田・伊万里・唐津・波佐見を軸にする一方、なかむたは小鹿田焼、やちむん、琉球ガラスへと品揃えを広げた。

自由が丘の店だけ見ていると気づかないけれど、練馬の親店があって、そこから派生して、自由通りに落ち着いた。街を跨いだ小さな物語がある。

Instagram の bio には「目黒区自由が丘 生活民芸 なかむた 波佐見焼・小鹿田焼・やちむんなどの陶器のセレクトショップ」とある。全国の陶器市や米軍基地内への出店もしていて、店は自由通り沿いに閉じていない。

熊野神社の裏、自由通り

位置をもう一度確かめる。

自由が丘 1-24-6、山本ビル 1F。駅から徒歩約 3 分、熊野神社の裏手、亀屋万年堂 総本店の向かい。年中無休の 11 時から 19 時 (臨時休業あり、公式 Instagram で告知)。

熊野神社に手を合わせて、自由通りへ出て、亀屋万年堂でナボナを買って、そのまま道を渡る。同じ街の同じ午後に、そういう歩き方ができる。器を一つ迎えて持ち帰る、というささやかな買い物のために。

食卓の上で会う予定

うつわは、家に帰ってから使う。店で見た時の静けさは、そのまま食卓の朝に持ち込まれる。

亀屋万年堂の向かいに器の店があること。教えたい気持ちと、教えたくない気持ちが、半分ずつ。

また、熊野神社に寄った帰りに、道の反対側を見ようと思う。